シングルフランジおよびダブルフランジ差圧式レベルゲージのご紹介
工業生産・製造工程において、測定対象となるタンクの中には結晶化しやすく、粘性が高く、腐食性が極めて高く、固化しやすいものがあります。このような場合、シングルフランジおよびダブルフランジ差圧トランスミッタがよく使用されます。例えば、コークス工場のタンク、塔、釜、タンク、蒸発器ユニットの生産用の液体貯蔵タンク、脱硫・脱硝プラントの液面貯蔵タンクなどです。シングルフランジとダブルフランジはどちらも多くの用途がありますが、開放型と密閉型の違いがあります。シングルフランジの開放型タンクは密閉型タンクとして使用でき、ダブルフランジはユーザーにとってより密閉されたタンクになります。
液面を測定するシングルフランジ圧力トランスミッターの原理
シングルフランジ圧力トランスミッタは、開放型タンクの密度を測定することでレベル変換を行います。開放型容器のレベル測定
開放型容器の液面を測定する場合、トランスミッターを容器の底部付近に設置し、その上の液面の高さに対応する圧力を測定します。図1-1に示します。
容器の液面圧力はトランスミッターの高圧側に接続され、低圧側は大気開放されています。
測定液面変化範囲の最低液面がトランスミッターの設置場所より上にある場合、トランスミッターは積極的な移行を行う必要があります。
図1-1 開放容器内の液体の測定例
測定する液面の最低レベルと最高レベル間の垂直距離をXとすると、X=3175mmとなります。
Y はトランスミッターの圧力ポートから最低液面までの垂直距離で、y=635mm です。ρ は液体の密度で、ρ=1 です。
h は、液柱 X によって生成される最大圧力ヘッド(KPa)です。
e は液柱 Y によって生成される圧力ヘッド(KPa)です。
1mH2O=9.80665Pa(以下同じ)
測定範囲はeからe+hなので、h=X·ρ=3175×1=3175mmH2O=31.14KPaとなります。
e=y・ρ=635×1= 635mmH2O= 6.23KPa
つまり、トランスミッターの測定範囲は6.23KPa~37.37KPaです。
つまり、実際には液面の高さを測定します。
液面高さ H=(P1-P0)/(ρ*g)+D/(ρ*g);
注: P0 は現在の大気圧です。
P1は高圧側を測定する圧力値です。
Dはゼロ移行量です。
液面を測定するダブルフランジ圧力トランスミッターの原理
ダブルフランジ圧力トランスミッターは、密閉タンクの密度を測定することでレベル変換を行います。ドライインパルス接続
液面上のガスが凝縮しない場合、伝送器の低圧側接続管はドライ状態のままです。この状態はドライパイロット接続と呼ばれます。伝送器の測定範囲の決定方法は、開放容器内の液面の測定方法と同じです。(図1-2参照)
液体中のガスが凝縮すると、トランスミッターの低圧側導圧管内に液体が徐々に蓄積し、計測誤差が発生します。この誤差を除去するには、トランスミッターの低圧側導圧管内にあらかじめ一定の液体を充填しておきます。この状態を湿式導圧管接続と呼びます。
上記の状況では、トランスミッタの低圧側に圧力ヘッドがあるため、負圧マイグレーションを実行する必要があります(図1-2を参照)。
図1-2 密閉容器内の液体測定の例
測定対象となる液面の最低レベルと最高レベル間の垂直距離をXとすると、X=2450mmとなります。Yはトランスミッターの圧力ポートから最低液面までの垂直距離で、Y=635mmです。
Zは液体充填圧力導管の上部からトランスミッターのベースラインまでの距離であり、Z=3800mmである。
ρ1は液体の密度で、ρ1=1です。
ρ2は低圧側導管の充填液の密度であり、ρ1=1である。
h は、テスト対象の液柱 X によって生成される最大圧力ヘッド(KPa)です。
e は、テスト対象の液柱 Y によって生成される最大圧力ヘッド(KPa)です。
s は充填された液体柱 Z によって生成される圧力ヘッド(KPa)です。
測定範囲は(es)から(h+es)までであり、
h=X·ρ1=2540×1 =2540mmH2O =24.9KPa
e=Y·ρ1=635×1=635mmH2O =6.23KPa
s=Z·ρ2=3800×1=3800mmH2O=37.27KPa
つまり、es=6.23-37.27=-31.04KPa
h+e-s=24.91+6.23-37.27=-6.13KPa
注: つまり、実際には液面の高さを測定します。液面の高さ H=(P1-PX)/(ρ*g)+D/(ρ*g)。
注:PXは低圧側の圧力値を測定します。
P1は高圧側を測定する圧力値です。
Dはゼロ移行量です。
設置上の注意事項
シングルフランジの設置が重要
1. 開放型タンク用シングルフランジ隔離膜トランスミッターを開放型液体タンクの液面測定に使用する場合、低圧側インターフェースの L 側を大気に開放する必要があります。
2. 密閉式液体タンクの場合、液体タンク内の圧力を導く導圧管は、低圧側インターフェースのL側に配管する必要があります。この導圧管はタンクの基準圧力を指定します。また、L側のドレンバルブを必ず緩めて、L側チャンバー内のドレンを排出してください。そうしないと、液面測定に誤差が生じます。
3. トランスミッターは、図1-3に示すように、高圧側のフランジ取付部に接続できます。タンク側のフランジは一般的に可動フランジで、その時点で固定され、ワンクリックで溶接できるため、現場での設置に便利です。
図1-3 フランジ型液面計の設置例
1) 液面タンクの液面を測定する際は、最低液面(ゼロ点)を高圧側ダイヤフラムシールの中心から50mm以上離して設定してください。図1-4:
図1-4 液体タンクの設置例
2) トランスミッターとセンサーのラベルに示されているように、タンクの高圧 (H) 側と低圧 (L) 側にフランジ ダイアフラムを取り付けます。
3) 環境温度差の影響を減らすために、高圧側の毛細管を束ねて固定し、風や振動の影響を防ぐことができます(超長尺部分の毛細管は一緒に巻いて固定する必要があります)。
4) 取り付け作業中は、ダイヤフラムシールにシール液の降下圧力が極力かからないようにしてください。
5) トランスミッタ本体は高圧側リモートフランジダイヤフラムシール取付部より600mm以上下方に取り付け、キャピラリーシール液の降下圧力がトランスミッタ本体に最大限加わるようにします。
6)設置条件の制約により、フランジダイアフラムシール部取付部より600mm以上下方に設置できない場合、または客観的な理由により伝送器本体をフランジシール取付部より上方に設置する必要がある場合、その設置位置は以下の計算式を満たす必要があります。
1) h:リモートフランジのダイアフラムシール取付部とトランスミッター本体間の高さ(mm)
① h≤0の場合には、トランスミッタ本体をフランジダイアフラムシール取付部よりh(mm)上に設置してください。
②h>0の場合、トランスミッタ本体はフランジダイアフラムシール取付部よりh(mm)以下に取り付けてください。
2) P:液体タンクの内圧(Pa abs)
3) P0: トランスミッタ本体が使用する圧力の下限。
4)周囲温度:-10~50℃。